サッカー<日本代表>清武を中心とした攻撃、原口の献身性とスピード ハリルジャパン変革の序章になるか?


この試合が、ハリルジャパンのターニングポイントになるかもしれない。 10月6日、埼玉スタジアム2OO2で行われたイラク戦は、そんな試合だった。 この試合、大きな変化がひとつあった。それは背番号10を背負い、本田圭佑とともに絶対的なエースとして君臨していた香川真司を、 先発で起用しなかったことだ。香川の代わりに白羽の矢が立ったのが、スペインリーグの強豪セビージャでプレーする清武弘嗣だった。 その清武が、好プレーで攻撃を牽引した。彼の真骨頂と言えるのが、原口元気の先制ゴールにつながった一連のプレーだ。 清武のストロングポイントは「時間と空間を創出できること」にある。 先制点の場面は彼の長所が存分に出たプレーで、巧みなドリブルで本田へのパスコースを作り出し、右足のアウトサイドで絶妙なパスを通した。 清武のプレーはそれで終わりではない。パスを出した足を止めず、爆発的なダッシュを続け、本田の外側をオーバーラップ。 パスを受けてゴール前へグラウンダーのクロスを通し、原口がゴールに流し込んだ。 これぞ、ハリルホジッチ監督がめざす「インテンシティの高いプレー」である。インテンシティとは「プレー強度」と言い換えることができるが、 ボールを奪った瞬間にスピードを上げて守から攻へと切り替える、高いフィジカルと判断力に裏打ちされたプレーを見せた。 また、爆発的なダッシュでパスコースを作り出し、相手をかく乱するのもインテンシティの高いプレーだ。 相手の守備陣系が整う前に素早く攻めきることは、ハリルホジッチ監督が就任から一貫して言い続けてきたことでもある。 スペインのリーガ・エスパニョーラやドイツのブンデスリーガでは当たり前に行われているプレーだが、 それをピッチで表現したのが、清武(リーガ・エスパニョーラ/セビージャ所属)、 原口(ブンデスリーガヘルタ・ベルリン所属)というのは、いかに彼らが日常的に高いレベルでプレーしているかを表している。 現代サッカーに求められる“モダンなアタッカー像”を具現化し、ハリルホジッチ監督とサポーターの信頼を勝ち取った清武。 とはいえ、まだ第一関門を突破したにすぎない。時間帯によってはパスを受けられず、試合から消えてしまう場面も見られた。 それを解消するには、時間をかけてチームに馴染んでいくしか方法はなく、信頼を集めるには精度の高いプレーを続けるしかない。 それでも、この日の清武を中心とした攻撃、原口の献身性とスピードは、停滞感すら漂っていたハリルジャパンに吹き込んだ一陣の風と言える。 はたして、彼らの活躍が一過性のものなのか。それともこれから始まるチーム変革の序章なのか。それは11日のオーストラリア戦(アウェイ)で明らかになる。 AbemaTIMES 10月7日(金)17時0分配信 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20161007-00010001-abema-socc