兵庫右折?左折?直進? そして矢印は消えた 神戸[10/09]


http://www.kobe-np.co.jp/news/shakai/201610/0009564465.shtml  新聞社には読者や市民からさまざまな意見や疑問が寄せられる。 その情報を端緒に取材を重ね、記事にしていくことは多々あることだ。先日、本社・報道部にかかってきた1本の電話の内容はこうだ。 「右左折の道路標示が表れたかと思うと、すぐに直進矢印。前方には進入禁止の標識がある。ほんまに正しい標示なんか!」。 早速、指摘のあった神戸市兵庫区の交差点をのぞいてみると…。(石川 翠)  標示は、JR兵庫駅から新開地方面に北東に延びる市道を車で5分ほど走ると現れる。 住所地で言うと兵庫区大開通1の交差点。左折すれば、すぐに国道28号(大開通り)の新開地交差点にぶち当たる。  片側2車線で左車線が左折レーン。右車線には指摘の通り、通称「チューリップ」と呼ばれる右左折の道路標示があった。 いずれかに曲がろうと車を進めると、今度は、横断歩道をまたいですぐに直進矢印が目に入った。 前方は一方通行の出口で進入禁止となっている。「どうしよう…」。結果的に右折したが、確かにドライバーを戸惑わせる標示だ。         ■  □  道路管理者の神戸市中部建設事務所に尋ねてみたが、直進矢印が描かれた時期は不明との回答。 過去のグーグルストリートビューの映像を確認すると、2009年には矢印は存在していた。  兵庫署交通課によると、以前は右折車のために“親切心”で、先端が少し右に傾いた矢印だったらしい。 その後、塗り直しがあるたびに「やや右」から「直進」になっていったのでは、と推測する。  直近の塗り直しは今年7月。周辺の路面補修に合わせて行われた。 それまで薄れていたのが、はっきりと“出現”したため、今回のような指摘が出始めたという。         ■  □  取材を始めて数日後、再び現場に足を運ぶと、何と! 直進矢印が消されていた。 周辺住民から「危ないのでは」との声が同署に寄せられ、中部建設事務所が9月末に舗装工事を施して消したという。  同署によると北側の国道28号の新開地交差点では交通事故が多いというが、道路標示が複雑なこの交差点では、幸い事故は発生していないという。  近くに住む男性は、「直進矢印を無視して右左折することになるので、普段から違反にならないのか気になっていた。事故が起こる前で良かった」と話していた。 右左折の矢印のすぐ先に直進の矢印の道路標示が設置されていた(グーグル「ストリートビュー」から。(c)Google)=神戸市兵庫区大開通1 http://www.kobe-np.co.jp/news/shakai/201610/img/b_09564466.jpg 消された直進矢印(赤点線)=神戸市兵庫区大開通1 http://www.kobe-np.co.jp/news/shakai/201610/img/b_09564485.jpg 神戸新聞NEXT http://www.kobe-np.co.jp/news/shakai/201610/img/b_09564467.jpg