電通過労自殺社員に「残業100時間を越えたくらいで過労死するのは情けない」と吐き捨てた大学教授「コメント削除」が情けない


結局、「情けない」のは本人だったようだ。  電通の新入社員の女性が過労自殺だったとして労災認定された件に関し、武蔵野大学の長谷川秀夫教授が7日、経済ニュースアプリ「News Picks」に自身の考えを投稿。 「月当たり残業時間が100時間を越えたくらいで過労死するのは情けない。会社の業務をこなすというより、自分が請け負った仕事をプロとして完遂するという強い意識があれば、残業時間など関係ない」などと投稿。  大きな批判を浴びた。当然である。  その後、この安易なコメントを出した教授は投稿を削除した上で「私のコメントで皆様に不快な思いをさせて申し訳ございません」と謝罪文を投稿。 ご丁寧に「何が悪かったのか」のかも詳細まで入れて謝罪している。今さら何を言っても遅いわけだが。  そして、批判がきたから削除して謝罪という点も、ずいぶんと情けない。  そもそもこの長谷川教授、今回の自殺に関しての「原因」を考えて発言しなかったような印象がある。自殺した女性は自身のSNSで頻繁に電通の企業体質の劣悪さを語っているが、単なる長時間労働でのストレスだけでなく、社内にはびこるパワハラやセクハラなどにも言及している。 労働+人間関係を中心としたストレスが複合的に押し寄せてきた結果、最悪の事態になってしまったと捉えるのが正しいはずだ。 しかし、長谷川教授は中身を把握せず、タイトルだけでコメントした可能性もあるのではないか。  まず、「情けない」「プロ意識」「最大の努力」「寝袋がうんたら」と、どこまで言っても長谷川教授の文面からは「精神論」「感情論」しか出てこなかった。 経歴を見る限りこれまで東芝ニトリ等大企業の財務を担ってきた辣腕のようだが、長きにわたる経験で得たものが精神論とはお笑い草で、それのほうがよほど「情けない」ではないか。  若者の「バカッター」が一時期問題視されたが、それと短絡度合いはまったく同じ。これが教育者、研究者なのだから開いた口が塞がらない。  こういう人物が、日本の悪しき企業文化を生む一要素になっているのではと思わざるを得ない。大学はこの状況をどう受け止めるのだろうか。 ビジネスジャーナル http://biz-journal.jp/i/gj/2016/10/post_1479_entry.html